もうすぐ海外ツアー。でも、今年は選抜メンバーには選ばれず、居残り組となってしまった。
今日の沖縄も冷え込んでいて、足元に電気ストーブを置き、外を眺めながら「もうすぐタイに
いくのか・・・30度位あるんだろうな・・・」と考えていた。
すると急に去年の「シパダンツアー」で出合った不思議な少年の事を思い出した・・・
初めて彼に出会ったのは飛行機に乗ろうという寸前。彼が突然「君のそのいかしたカメラで
僕を撮らないか・・・」断るのも恐ろしく、渋々一枚撮ってみた。その時の画像がこれ。
初めて会った人に突然、声をかけ、この笑顔が出来るなんて・・・只者ではない・・・
その後、無事、目的地の「水上コテージ」に到着し、「ウェルカムドリンク」を頂こうと
すると、視線が気になり、目を向けると彼がピースサインを出して何とも言えない笑顔で
こちらを見ている。今度は一言だけ「写真いいよ」と。訳が分からないが一枚撮ってしまった。
彼のペースにハマっている自分が少し不安に・・・しかし、何故ここにいるのか・・・
水上コテージを起点に離島にてダイビングを楽しんでいた。昼食に立ち寄った島は砂浜がとても
綺麗で遊びに来ていた人達は水の掛け合いをしたり、スノーケルを楽しんだりと楽しいひと時を。
昼食を摂り少し休んでいると、木陰でこのリゾート地には相応しくない「負のオーラ」を全開に
出した彼が座っていた。
彼の事が気にはなっていたが、また、写真を撮れと言われても困るので、見てみないふりをして
いた・・・すると、彼は突然海へ走りだした。獲物を見つけたライオンの様な目つきをして。
ナンという事か!次の瞬間、膝まで水に浸かった彼は、一人で一心不乱に水掛けを一人でし始めた!
もの凄い笑顔で!
僕が見たものは幻だったのか・・・一人であんなに楽しそうに水掛けをする人を僕は見た事が無い。
頭の中にモヤモヤしたものを残しながら午後からのダイビングへと。僕は可愛いクマノミを一生懸命
撮っていると、肩を叩かれて振り向くと「写真を撮れ」とハンドシグナルが・・・そう、そこには、
彼がいた・・・
この水中でのシーンを最後に彼は二度と現れる事が無かった・・・。彼は・・・いったい・・・
今年のツアー僕は参加できない。でも、どうしても行きたかった。また、彼と会えそうな気がして。